【夫婦】他の女性を愛してしまった僕は妻に離婚を告げた。妻は「離婚の条件」を突き付けた。それは離婚するまでの一か月間、毎朝彼女が仕事へ行くときに彼女を腕に抱き上げて寝室から玄関口まで運んでほしいということだった。
僕は「とうとうおかしくなったな・・・」と思った。
でもこれ以上妻といざこざを起こしたくなかった僕は、黙って彼女の条件を受け入れた。
僕は「ジェーン」にこのことを話した。
ジェーンはお腹を抱えて笑い、「ばかじゃないの」と言った。
今さら何をどうジタバタしたって離婚はまぬがれないのにとジェーンは嘲るように笑った。
僕が「離婚」を切り出して以来
僕ら夫婦はまったくスキンシップをとっていなかった。
なので、彼女を抱き上げて玄関口まで連れていった1日目
僕らは二人ともなんともヘンな感じで、ぎこちなかった。
それでもそんな僕らの後ろを、息子はそれは嬉しそうに手をパチパチ叩いてついてきた。
「ダディーがマミーを抱っこして『いってらっしゃい』するよ!」
その言葉を聞くなり、僕の胸はきりきりと痛んだ。
寝室からリビングへ、そして玄関口へと僕は妻を腕に抱いたまま10メートルは歩いただろうか。
妻は目を閉じたまま、そっと「どうかあの子には離婚のことは言わないで」と耳元でささやいた。
僕は黙ってうなずいた。
でもなぜか、そうしながら心はひどく動揺していた。
妻をドアの外に静かにおろすと、彼女はそのままいつものバス停へ向かって歩いていった。
僕もいつもどおり車に乗り込み仕事へ向かった。
2日目の朝
初日よりは少しは慣れた感があった。
抱き上げられながら、妻は僕の胸に自然ともたれかかっていた。
僕はふと、彼女のブラウスから薫るほのかな香りに気づいた。
そして思った。
こうして彼女をこんな近くできちんと見たのは、最後いつだっただろうかと。。。
妻がもはや若かりし頃の妻ではないことに、僕は今さらながら驚愕していた。
その顔には細かなシワが刻まれ、髪の毛には、なんと白いものが入り交じっている!
結婚してからの年数が、これだけの変化を彼女に。。。
その一瞬、僕は自問した。「僕は彼女に何てことをしてしまったのだろう」と。
4日目の朝
彼女を抱き上げたとき、ふと
かつて僕らの間にあった、あの愛情に満ちた「つながり感」が戻ってくるのを感じた。
この人は…この女性は、僕に10年という年月を捧げてくれた人だった。
5日目、そして6日目の朝
その感覚はさらに強くなった。
このことを、僕は「ジェーン」には言わなかった。
日にちが経つにつれ
妻を抱き上げることが日に日にラクになってゆくのを感じた。
なにせ毎朝していることなので、腕の筋力もそりゃ強くなるだろうと、僕は単純にそう考えていた。
ある朝、妻はその日着てゆく服を選んでいた。
鏡のまえで何着も何着も試着して、それでも体にピッタリくる一着が、なかなか見つからないようだった。
そして彼女は「はあ?っ」とため息をついた。
「どれもこれも、何だか大きくなっちゃって。。。」
その言葉を耳にして、僕はてハッ!とした。妻はいつの間にやせ細っていたのだ!
妻を抱き上げやすくなったのは、僕の腕力がついたからではなく、
彼女が今まで以上に軽くなっていたからだったのだ!
愕然とした。
それほどまで、やせ細ってしまうまで彼女は痛みと苦痛を胸のなかに。。。
僕は思わず手を伸ばして、妻の髪に触れていた。
そこに息子がやってきた。
「ダディー、マミーを抱っこして『いってらっしゃい』する時間だよ!」
息子には、父親が母親を毎朝抱き上げるこの光景を目にすることが、すでに大切な日常の一場面となっているようだった。
妻は、そんな息子にむかって「おいで」と優しく手招きしたかと思うと、彼を力いっぱいぎゅっと抱きしめた。
僕は思わず目をそらした。
そうしないと、最後の最後で、気が変わってしまいそうだったからだ!
僕はだまって、いつものように妻を腕に抱き上げ、寝室から、リビング、そして玄関口へと彼女を運んだ。
妻はただそっと、僕の首に腕を回していた。
そんな彼女を、気づいたら強くグッと抱きしめていた。
そうまるで、結婚したあの日の僕のように。。。
彼女の、それはそれは軽くなった体を腕のなかに感じながら僕は例えようのない悲しみを覚えていた。
そして最後の朝
妻を抱き上げたとき、僕は、一歩たりとも歩みを進めることができなかった。
その日息子はすでに学校へ行ってしまっていた。
僕は妻をしっかりと腕に抱き、そして言った。
「今まで気づかなかったよ。僕たちの結婚生活に、こうしてお互いのぬくもりを感じる時間がどれほど欠けていたか・・・」
そして僕はいつもどおり仕事へ向かった。
何かにせき立てられるように、とにかくここで、最後の最後で自分の決心が揺らいでしまうのが怖くて
それを振り切るかのように、車を停めると鍵もかけずに飛び出し、オフィスのある上の階まで駆け上がっていった。
気が変わってしまう前に、オフィスへ行かなければ。早く「ジェーン」のもとへ!
ドアを開けるとそこに「ジェーン」がいた。
彼女を見た瞬間、僕は思わず口にしていた。
「ジェーン、すまない。 僕は離婚はできない。」
「ジェーン」は「はあ?」という目で僕を見つめそして額に手をあてた。
「あなた、熱でもあるの?」
僕はジェーンの手を額からはずし、再度言った。
「すまない、ジェーン。僕は離婚はできないんだ。」
「妻との結婚生活が『退屈』に感じられたのは、彼女を愛していなかったからではなく、
僕が毎日の小さな幸せを、他愛のない、だけどかけがえのない小さな日常を大切にしてこなかったからなんだ。
今頃になって気づいたよ。あの日、あの結婚した日、
僕が彼女を腕に抱いて家の中へ初めての一歩を踏み入れたあの日のように僕は死が二人を分つまで、
彼女をしっかり腕に抱いているべきだったんだ!」
「ジェーン」はようやく事の次第を理解したようだった。
そして僕のほっぺたを思いっきりひっぱたくと、扉をバタン!と閉め
ワーッ!と泣き叫びながら飛び出して行った。
僕はそのまま黙って階下に降りた。
見ると、花屋が目にとまった。
僕はそこで、妻のためのブーケをアレンジしてもらった。
店員が「カードには何とお書きになりますか?」と聞いてきた。
僕はふと微笑んで、言った。
「そうだね、こう書いてくれ。」
『毎朝君を腕に抱いて見送るよ。死が二人を分つ、その日まで...』
その日の夕方、僕は妻への花束を抱え、顔に笑顔をたたえて家についた。
はやる気持ちで階段を駆け上がる!
早く早く!妻のもとへ!
出迎えてくれた妻は
ベッドで冷たくなっていた。。。。
何も知らなかった。
僕は、何も知らなかったのだ。
妻が「ガン」であったことさえも。
ジェーンとの情事にうつつをぬかしていた僕は、
妻がこの数ヶ月必死で病魔と戦っていたことに気付きさえしなかったのだ!
妻は分かっていたのだ。自分がもうじき死ぬことを。
彼女が出してきた「離婚の条件」は僕を責めるものではなく、僕を救うためのものだったのだ!
自分亡き後、最愛の息子から僕が責められることがないように。
毎朝お母さんを抱き上げて優しく見送るお父さん。
そう、そういう僕を毎朝見ていた息子にとって僕はまぎれもなく
「お母さんに離婚をつきつけたお父さん」ではなく
「お母さんを最後まで愛したお父さん」となったのだ!
僕はどうしても皆さんにお伝えしたかった。
日々のささやかな幸せ、、、それが人生で何よりも大切であるということを。
幸せは大きな家、土地、高価な車、または銀行の残高、、、
そんなものの中にあるのではないということを。
もしも今、あなたの傍らにかけがえのない伴侶がいるのなら、毎日がどんなに忙しくても
どうか、相手が大切だと伝える小さなジェスチャーを心を通わせる時間を
大切にしていっていただきたいと思います。
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