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泣くのはいつだって出来る。さぁ行こう

b959
子ちゃんが中学生だったときの話です。

彼女の父親は昔から病弱で、
入退院を繰り返す生活をしていました。

しかしある日、A子ちゃんが学校に行っている間に、
父親が意識不明になってしまいました。

もちろん父の危機はすぐに学校にいるA子ちゃんにも知らされました。

その場で泣き崩れるAちゃん。

あまりのショックで、
病院にすぐ駆けつけることも出来ず、
ただ立ちすくんでいました。

でも、そんなときA子ちゃんの大親友だったC子ちゃんが、
A子ちゃんに強い口調でこう言いました。

「これから泣くのはいつだってできるでしょ!!
 今しか生きているお父さんに会えないかもしれないんだよ!!
 今を逃したら、A子には後悔しか残らないよ!
 それでもいいの?!」

授業の途中にもかかわらず、C子ちゃんは、
A子ちゃんの腕を無理やりに引っ張って、
父親のいる病院に連れて行きました。

病院に着くや否や、父親の状態がA子ちゃんと母親に伝えられ、
すぐに手術をしないと今晩にも生命が危ぶまれるとのこと。

でもそこに問題がありました。

そこの病院には長時間の大手術ができるほどの輸血がなく、
手術をするのが困難とのことでした。

また他の病院に搬送するためには、時間的・人的な制約があるとのこと。

それを聞き、A子ちゃんと母親は、
内心父の死を覚悟して、呆然たる思いに陥ったそうです。

それをそばで聞いていたC子ちゃんがある行動を起こしました>>>

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子ちゃんは、「ちょっと待ってて」と言って
外に出て行きました。

やがてしばらく後に、C子ちゃんは、
中学のクラスメイトたちを引き連れて病院に駆けつけました。

クラスメイトはみな走ってきたからでしょう、
額に汗を流し、息も切れ切れにこう言いました。

「C子から話は聞いた。血液型A型のやつがそろっている。
 早く俺たちの血を使って、お父さんの手術に役立ててくれ!」

みんな笑顔でA子を励ますとともに、協力を願い出てくれたのです。

そしてみんなの協力が実って
A子ちゃんの父親は奇跡的に一命をとりとめました。

あとから聞いた話ですが、みんなが駆けつけてくれたのも、
C子が息をきらしながら、血眼で授業中のクラスに飛び入ってきて、
みんなに泣きながら協力を願ってくれたからだったのです。

彼女の父親を助けてあげてと。

そして授業中にもかかわらず、A子ちゃんのためにと
全クラスメイトが一丸となって動いてくれたのです。

なぜ彼女がそこまでしてくれたのか。

それにはわけがありました。

C子ちゃんは幼いときに父親を交通事故で亡くしていたのです。

父親の最期に立ち会えなかった悲しさ、
助けてあげられなかった悔しさから、
A子ちゃんを何とかしてあげたいとおもったのでしょう。

C子ちゃんはA子ちゃんと自分自身を重ねていたのです。

A子ちゃんは思い出すたびに、
あの日のC子ちゃんへの感謝を禁じ得ないとのことです。

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