緊急事態において自分を守るか、自分以外の誰かを守るか
航空自衛隊入間基地所属のT-33ジェット練習機が、
入間川河川敷に墜落しました。
この事故機に乗っていたパイロットは、
二名ともベイルアウト(緊急脱出)を試みました。
しかし、いずれもパラシュートが開く高度を
遙かに下回る機位からの脱出であったため、
事故死を招いてしまいました。
一人は全くパラシュートが開かないまま、
もう一人は開きかけたところで地面に激突し、死亡したのです。
二人の飛行時間はいずれも数千時間を超え、年齢は47歳と48歳。
二佐と三佐ですから、いかなる事態にも対応可能な
ベテランパイロットであったはずです。
なぜ彼らはもっと早くベイルアウト(緊急脱出)をしなかったのか。
この事故の際、東京電力の高圧送電線を切断し、
東京・埼玉の約80万世帯で停電となりました。
電線切断による停電は都市のもろさの再認識となり、
マスコミの論調は「税金の無駄使い」的な、
冷淡なものが大勢でした。
ところが、当日のニュースステーションでの、
国際コンサルタントの岡本行夫(おかもとゆきお)さんのコメントによって、
この事故のもっと踏み込んだ意義が見直されました。
岡本さんは、事故の謝罪をする防衛庁長官の姿勢について、
コメントを求められたのです。
岡本さんのコメントはこうでした>>>
↓Facebookの続きは、こちらからどうぞ↓
「私の事務所でも停電のためにコンピュータが止まり、
大いに迷惑はしているが、今の報道を見ると、
脱出用パラシュートも開かぬままとなっており、
脱出のチャンスを失ってまで、
住宅地への墜落を回避した可能性が高い。
であれば、パイロットの行為は人間の尊厳に満ちたものであり、
にも関わらず、まず、この行為に対して、
長官が哀悼の意を表しなかったとすれば、
ご遺族の方々は、何と思うだろうか、誠に遺憾である」
岡本さんはそう語りました。
また別のインタビュー記事では、こんな談話があります。
もし住宅密集地の上空でエマージェンシー(緊急事態)に遭遇したら、
どうするのかとの質問に対する自衛隊のベテランパイロットの答えです。
『被害を最小限にとどめるため、最後まで操縦を続ける覚悟はあります』
と言い切った上で、『ただ、最後の瞬間に、わずかでも時間があれば、
脱出装置は作動させます。
そうしないと、脱出装置を整備した整備員に、
要らぬ心配をかけますから』
とのことでした。
この事故においては、13時42分14秒にベイルアウトが通報されています。
そして、その13秒後の13時42分27秒、
二度目のベイルアウトが通報されています。
最初にベイルアウトを通告してから、再度ベイルアウトを告げるまでの13秒。
なぜ彼らは最初の通告でベイルアウトすることをしなかったのか・・・。
この13秒は、正に上記の
『被害を最小限にとどめるため、最後まで操縦を続ける覚悟はあります』
に合致するのではないでしょうか。
そして、
『ただ、最後の瞬間に、わずかでも時間があれば、脱出装置は作動させます。
そうしないと、脱出装置を整備した整備員に、要らぬ心配をかけますから』
の思いとともに、ベイルアウトの行動をとったが、
既にその時点では最低安全高度を切っていた・・・。
そのような推測が今となってはほぼ正しい評価を得ているようです。
参考URL:http://kokorodo.net/e1072
:http://blog.goo.ne.jp/raffaell0/e/ba1f1122adc834bfba6e0825ac5c35d5
人気記事ランキング
- 【コーヒールンバ】木魚ポコポコ鐘がチーン
- 【いつもありがとう】手話でハッピーバースデー♪
- 【甲子園 アナザーストーリー】挫折球児が輝く場所
- 遭難しかけた妻が車の中で複数の男に襲われた
- 【ひたすらにキモイ】夫婦そろって不妊が発覚したとたん旦那が幼児退行した。服も自分じゃ脱がなくなり、お弁当にはふりかけ必須。ある日、お弁当に卵焼きを入れたのにノリタマをつけてしまったら、会社を早退してきて大暴れしたので、耐えられなくなってそのまま離婚に持ち込んだ。そしてその後来たロミオメールがこちら…。こいつ何も分かっちゃいねぇ…。
-
【原爆の日】 ~広島カープ戦のテレビ欄に隠されたメッセージ~
広島市に原爆投下されてから71年となった8月6日、 広島県内で配られた朝刊のテレビ番組表(ラテ欄)で
-
HONDAから子供たちへのプレゼント
難病で入院中の子供たちのために、 おとなたちが、ひとつの部屋に、 クリスマスのお飾りを施します。 さ
-
父の夢だった甲子園の土を僕が踏みしめた
父は、高校の時、野球部の投手として、甲子園を目指しました。 しかし、 「地区大会の決勝で、9回に逆
-
凍り付いた海に飛び込み氷上の犬を救助
凍てつく海の上に一匹の犬が漂っています。 見てるだけで、その温度が伝わってきそうな氷のかけら。 その
-
【たった「ひとこと」の違い】お金持ちになる人・なれない人
「貧乏」な家庭で育ってお金持ちになる人もいれば 「貧乏」だったから やっぱりお金持ちになれない人とが