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【怖い話】駅から徒歩6~7分で破格の物件。大家の条件はただひとつ「女性を住まわせないこと」入居を決めた弟が、引っ越して部屋の押入れを開けるとそこには・・・

部屋の押入れを開けると、天板の隅に御札が貼ってあったのだ。
真四角の、手のひらくらい小さな御札。判読不明の字が、円形に朱で書かれている。

内覧のときには気付かなかったのだが、引越の後片付けをしていて、

初めて気が付いたという。

不気味ではあるが、剥す勇気もなくそのままにした。

そして引越しから1週間たった頃、夜の11時過ぎにチャイムが鳴った。

だれだろうとインターホンを取ると女性である。

3階の住人だという。

何か苦情か、と身構えて弟はドアを開けた。

「あの、夜分すいません。3階の○○といいますが、ちょっとお尋ねしていいですか?」

その女性を見るのは始めてだったが、見ると夜目にも顔が青い。いや蒼白である。

何かに怯えているのか、おどおどしてるっていうかそんな感じだった、という。

「何でしょうか」

「突然、こんな時間に失礼なお話なんですけど、お一人で住んでいるんですよね?」

「えっ?そうですけど」

「女性は住んでいませんよね」

「そうですけど、なんなんですか?」

余りに唐突である。第一、初対面の人間に聞く話ではない。時間も時間ですこしムッとした。

たぶん表情に出たのだろう、女性は

「あ、すいません。ゴメンなさい」

といって部屋へと戻っていった。



その時、女性が小さく「隣かぁ」とつぶやいたのが聞こえたという。

それから何週間かしたある日、隣の部屋が突然、引越し、空室になった。

隣には女性が住んでいたのだが、たまに来る程度だった彼氏らしき男性を

毎日、朝に見かけるようになった直後のことだったという。

隣が引越をした翌日、ごみ捨て場には、隣の部屋から出たと思われる

大量のゴミが置いてある。

ふと、目をやって息を呑んだ。

大量の御札であった。

それはコンビニの袋に入れて捨てられていた。

ところが、そんな詰め込まれているように見えない袋が裂けて

御札がにゅっ、と飛び出している。

弟は、怖くなってよくは見ていないが、その全てが二つに破かれていたと思う、と言った。

弟自身の部屋に何かが起こった訳ではなく、隣と、階上の部屋に何が起こったのかは

分からないという。

ただその後、休日などに、尋ねてきた3階の女性を見かけることがあるが、

その顔は、夜に尋ねてきた人間と同一人物だとは思えないほど血色のいい

元気そうな顔なんだ、と弟は話した。

●コメント
弟には女性を住まわせない事と条件を出しているのに、隣室と階上には住んでる(た)のが謎だな

●コメント
女性が住むのはいいけど男女の同居は駄目なんでしょ

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