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タコでアフリカのお国から勲章をもらった日本人

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阪のタコ焼き、タコの刺身を始め、
タコは日本の食卓ではお馴染みの食材です。

日本で消費するタコの約8割は輸入品であり、
そのうちの半分は、モーリタニアという国からのものです。

そのモーリタニアというお国。

場所は日本から見たら地球の裏側。
アフリカ大陸・サハラ砂漠の西端にその国はあります。

国土はなんと日本の約3倍、
しかも国土の3/4は砂漠というまさに「砂漠の国」です。

なぜ、そんなところがタコの一大供給地になったのか、
不思議な話です。

もちろん、砂漠でタコは獲れません。
沖合いが大西洋に面しており、そこが良い漁場になっているのです。

モーリタニアがフランスから独立した1960年は、
植民地が相次いで独立したアフリカの年と呼ばれています。

広大なサハラ砂漠が広がるモーリタニアに国を支える産業はなく、
国民の多くが貧困に苦しんでいました。

この独立間もない国に、漁業振興の可能性があると目をつけて、
救いの手を伸ばしたのが、当時の日本政府でした。

水産庁・外務省が全面的にバックアップして、
モーリタニアの漁業を振興してくれないかと、一命を受けたのが、
中村正明さん(現68歳)でした。

1977年、中村さん29歳の時にこの国に派遣されました。

しかし、この国では魚介類を食べる習慣がありません。

まして、タコを食べるなどとんでもない、
タコは悪魔の使いみたいに扱われていました。

誰がこんな不気味なものを食べるのか?
と最初は相手にもされなかったのです。

ところが今日のモーリタニアで中村さんは、
知らない人のいない超有名人となっています。

モーリタニアの人たちに大きく貢献した恩人として知られているのです。

いったい、砂漠の国で、しかもタコを食べない国において、
どのようにモーリタニアがタコの国になったのでしょうか?>>>

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ーリタニアに渡った中村さん、
この国にはお金が徹底的にない。
本格的漁業を立ち上げるには、金もモノ(船)もヒト(漁師)もいない。

そんなところからの戦いでした。

現地には小さなカヌーに乗る習慣があるから、
そこから出発しようと考えました。

カヌーで出来る簡単な漁法…そこからタコツボ漁を始めたのです。

これだとお金もかからず、難しい技術も比較的少なくて済みます。

しかし、中村さんについてくる人間はいません。

現地では漁業の習慣がなかったから、
朝4時に集まれ、と声をかけても誰も集まりません。

時計を持ってる人もいないから、
目覚まし時計をグループ長に渡し、みんなを起こして来なさいと説得。

何とかかんとか中村さんの指示に従い、
タコ漁を始めた少数の人たちが良かったようです。

今までやってこなかった漁法。今まで獲らなかった獲物。

たちまちのうちにタコの大漁状態を招きました。

漁獲を引き受ける国は、タコの大量消費国・日本が控えています。

少数の人らの中には、当時の日本円で
100万円を超える月収を上げた人もいるほどでした。

とにかく稼げるという好事例が目の前に現れたので、
それに続けと、大勢の人が中村さんに従うようになりました。

今でも現地たこつぼ漁では大卒初任給の5倍~7倍は稼げるそうです。

以後、中村さんは、モーリタニア政府から
騎士憲章をもらうほどの有名人となりました。

モーリタニア国家へのそれだけの功労者ということになります。

また、タコ漁を伝授された教え子たちが、
自分の子供に中村さんの名前を付けるので、
モーリタニアでは「ナカムラ」とか「マサアキ」
という名前が多くいるそうです。

私たちが食べているタコ、中村さんがいなかったらもっと貴重な、
高価なものになっていたことでしょう。

そう考えると、タコ好き・日本人の私たちも、
中村さんに感謝しなければいけません。

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