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サムライ大野選手に多くの国の人々が注目

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オ五輪で、静かながらすごい存在感を見せる選手がいます。

柔道男子で2大会ぶりの金メダルを獲得した大野将平選手(24歳)です。

現地ブラジルのファンを始め、
多くの国の方々から「サムライ」との呼び名を受けています。

決勝に至るまでの多くの戦いを、
すべて異なる技の一本勝ちで決めてきました。

その素晴らしいキメ技による「サムライ」の評価でしょうか?

どうもそればかりではないようです。

大野選手の試合の様子を見ていますと、
あることに気づきます。

本人の弁では「美しい柔道」を心がけているとのことです。

「礼に始まり、礼に終わる」

大野選手は、形ばかりの礼ではなく、
競技者として相手を思う「礼」でありたいと考えています。

その表れとして、勝敗を分け最後の礼を終え、
畳の上を降りるまで、ニコリともしません。

まして、ガッツポーズなども決してしません。

そのことについて、大野選手はこう語っています。

「対戦競技だから、相手のことを考え、
 相手に対して敬意を払いたい」

勝負の世界だから、勝ち負けに対しては、
大きな明暗が分かれます。

こみ上げてくる喜びが、自然にガッツポーズとなって表れる。
そのことで良し悪しの問題は言えません。

これもまたごく自然なふるまいだと思います。

ただ、オリンピックという国際的な場で、
大野選手のふるまいに、多くの人が美しさを見いだし、
「サムライ」という評価を与えた。

それはお国を問わず、
相手を尊重する姿勢への共感が生まれたからだと思うのです。

この報道を聞き、もう一人の美しいアスリートのことを思い出しました。

元プロ野球選手のこの人です>>>

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ァンの大歓声が湧き上がる中、
勝負を大きく決めるホームラン。

ベースを回る間も、決してガッツポーズなど見せず、
ただ淡々と走る選手がいました。

元ヤンキースの松井秀喜さんです。

松井さんの場合も、競技相手としての相手投手への尊重から、
派手な喜びのパフォーマンスをしませんでした。

全力で勝負したもの同士、そこは紙一重の差で別れる勝負です。

その時、打ち勝った投手への「勝ちのポーズ」を示すことは、
相手のファンへの思いやりにも欠ける。
松井さんは、そう思っていたそうです。

さて、お話しを大野選手に戻します。

まだ24歳と若い大野選手が、
なぜそのような「美しい柔道」にこだわるのか。

そこには、ひとつの理由が考えられます。

相手への配慮や尊重に至る人には、
多くの場合、大きな挫折やつまづきの経験が伴うようです。

大野選手の場合は、天理大学の主将時代にこんな事件がありました。

天理大学柔道部4年生の男子部員による、
1年生部員複数に対しての暴力事件が明らかになりました。

大学側はこの件で柔道部部長と監督を解任するとともに、
大野選手の主将の立場も解任させました。

柔道部に対しても再発防止策が確認されるまで、
無期限の活動停止処分を下すことになったのです。

大野選手は暴力の当事者ではなかったものの、
「(暴行を)止められず、ふがいない。申し訳ない」と謝罪しました。

その後の大野選手は、当時の師範の方によると、
「すべてに投げやりになった。やめると言い出し、
 もう戻ってこないかと思った」そうです。

しかし、3カ月間の活動停止中に、
柔道を出来ない苦しさが骨身に染みた大野選手。

その間、先人の書物や偉大な先輩選手の書物に目を通し、
主に、メンタル面での修行を積んできました。

今となっては、あの時の柔道の出来ない苦しさが、
今の自分の血肉になっているとまで述べています。

自分の身をもって体感した辛さにより、
相手の辛い心情にも敬意を払う。

そんな精神が、この時期、大野選手の中に宿ったのかもしれません。

今、リオのオリンピック選手村では、
道に落ちたペットボトルを、さりげなく拾っていく大野選手の姿が、
多くの人から目撃されています。

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