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亡くなったお姉ちゃんの代わりに人形が世界旅行

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姉ちゃんと私の人形を世界中に
 旅行させてください」

東日本大震災で姉・愛梨(あいり)ちゃん(当時6歳)を亡くした
宮城県石巻市の小学3年生・佐藤珠莉(じゅり)ちゃん(9歳)は、
昨年のクリスマス前、サンタクロースにこんな手紙を書いたのでした。

お姉さんの愛梨ちゃんは、海外旅行を夢見ていたのでした。

愛梨ちゃんは、2011年3月11日、幼稚園の送迎バスで帰る途中、
津波に飲み込まれました。

お姉さんが大好きで、いつも一緒だった珠莉ちゃん。

「お姉ちゃんを帰してほしい」。

クリスマスが来るたび、サンタに祈るようになりました。

それが変化したのが、一昨年・2014年の夏ごろ。

病気の子どもに代わって人形が旅行する
テレビの企画を見たのがきっかけでした。

「ママ。お姉ちゃんにも同じことしてあげられないかな」。

母・美香さんは、そう尋ねられたのを覚えています。

その年の珠莉さんのサンタへの願いは、
「姉妹の人形がほしい」。

翌2015年には
「人形に旅行をさせて写真を撮って記念にほしい」
になりました。

難しいと思いながら、何とか願いを叶えたい、
そう思った母親の美香さん。
立ち上がり、まずさまざまな知り合いに相談してみました。

そうすると、早々に胸を叩いて、
お任せくださいと言ってくれる人が現れたのです>>>

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ず「海外旅行に一緒に連れて行く」という人が現われ、
さらに復興を支援する団体が手を上げてくれたのです。

NPO法人「ガーネット宮城」(宮城県村田町)が、
「お任せください」と窓口役を買って出たのです。

それから1年。

ふたりの人形が旅したのは、タイやフランス、米国など
20の国・地域に上ります。

協力を申し出た人々が行く先々で、
まるで人形が観光を楽しんでいるかのような
写真を撮ってくれたのです。

本年、2016年の4月には、
サッカーJ1の強豪浦和レッズが手を差し伸べました。

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人形は浦和レッズに引き継がれて、
オーストラリアのシドニーへ、
選手とともに旅立ち、観客席で試合を観戦しました。

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写真のように本田圭佑選手も、
このプロジェクトに賛同してくれました。

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また11月には、支援者の仲介で、
珠莉ちゃん本人がフィンランドのサンタクロース村を訪問。

「あっちを見てごらん」。

サンタが指さした先には、
ふたりの人形が飾られていました。

人形と一緒に旅をしたとサンタに告げられると、
珠莉ちゃんははにかみました。

「サンタクロース村はたくさん雪が降っていたよ。
 雪でたくさんお姉ちゃんと遊んだことを思い出したよ。
 お姉ちゃん、大好き」。
旅行後、姉に宛てた珠莉ちゃんの手紙には、
こう記されていたのでした。

多くの人が協力した人形の写真アルバムは、
クリスマスイブの12月24日朝、
サンタからの贈り物として珠莉ちゃんに届けられました。

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