「 いい話 」 一覧
「コツコツ…」心の扉をたたく音
ツゥルルルル。受話器を取った私の耳に、 友人Nの悲鳴が飛び込んできました。 「お願い、一生のお願い! うちの悟、半年預かって!」 中学からの親友Nは、若くして結婚、離婚を経験した一児の母、 そして
アメリカの超高層ビルよりも高い場所とは?
金澤翔子という書家がいます。 その力強い筆さばきには息をのみます。 翔子さんは、新生児期に敗血症にかかり、 後にダウン症と診断されました。 当初、その事実を知った母親の泰子さんは、 我が子と共に死の
ベエが戦争に行った日
昭和19年、大分県S村の農家に嫁いでいた祖母は、 畑仕事に追われる毎日だったという。 祖父は気性が激しい人だったらしい。 S村では若者がみんな戦地へ出兵した。 祖父は片足が少し不自由なこともあって、
優しかったお姉さんに花束を……
Hさんが交通事故死した道路わきに、 いつのころからか花束が飾られるようになりました。 月に一度の命日の日に、誰かが置いていくのです。 一人娘を亡くしたHさんのご両親も、 それを誰の行為か知らず、知り
「こんにちは」この声が聞こえましたか?
私はある救急病院に勤務する看護師です。 患者さんと旅人のようにすれ違う月日の中で、 Fさんという一青年のことは鮮やかに私の脳裏に残っています。 ある五月の連休の第一夜に、 自殺未遂の患者さんが運ばれ
おい、おまえ彼女に何て言ったんだ?…おいってば
新幹線で東京に向かう自由席。 妻と並んで座っていると、途中から若いカップルが乗ってきた。 多少の空席はあるものの、二人一緒に座る席はなかった。 二人は並んで座れる席を探してウロウロしている。 迷って
満員の中「あなたが座るのは当然です」と言われた
次女の通院で月に一度、大学病院に通っています。 待ち時間が長いので、なるべく早い順番をとるために 午前7時前には家を出ます。 診察が終わるとおおよそ10時頃。 帰りの電車はまだ朝の通勤ラッシュの名残
おばあちゃんからの最高の贈り物
台所の棚に、まだ使っていない新しいまな板がありました。 「この新しいまな板はいつから使うの?」と私が母に聞くと、 「そのまな板はまだ使うことはできないのよ」 とお母さんに言われました。 「どうして
【女子バレーボール】世界最小で最強のセッター、竹下佳江さん
現在は現役を引退し、 「ヴィクトリーナ姫路」の監督に就任した竹下佳江さん。 女子バレーボールにおいて、世界最小・最強のセッターとして、 大活躍してきました。 2005年より全日本チームのキャプテンと
おばあちゃんのおにぎり 人を傷つけたらどうするか
戦時中…と言ってももうおよそ70年も前のことだから、 戦争のことを知る人の方が少数派になってきました。 戦時中、母の通う小学校に集団疎開してきた少女がいました。 疎開先でもやはり食糧事情が悪かったら